秋の伊吹山の花々(3) クサボタン (くるくるの仕組み?)

伊吹山で出会った秋の花々の3回目です。きょうはクサボタンです。

クサボタンは花期が8~9月ころのため、必ずしも秋の花とは言えないし、写真も少なかったので紹介するか迷っていました。
しかし、今回花のアップの写真を見ていて、あることに気付いたのでご紹介することにしました。

クサボタンは山地の草原や林の縁などに見られるキンポウゲ科の植物です。伊吹山に多いというわけでもなく、特に珍しくない普通の山の野草です。葉がボタンの葉に似ていることからこの名がついたそうです。

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クサボタンは茎の先に1cmほどの花を多数つけます。薄紫色の花は先端が4つほどに割れ、外側にくるくると巻き上がった形をしています。遠目からではよくわかりませんが、よく見るとなかなか凝ったつくりです。とがった形をしたつぼみの形から見て、つぼみが割れて次第に巻き上がっていくことがわかります。

この花弁のように見えるものは実は、萼(がく)です。キンポウゲ科には萼が花弁の役割を果たしていて、花弁はなかったり、”しべ”のような細い形をしているものが多いようです。

ところで、このくるくるの形、どこかで見たなあと思っていたら、今日ふと気付きました。
”タンポポ水車”です。

タンポポ水車というのは、5cmほどに切り取ったタンポポの茎の両端を、縦に4~6つに1.5cmほど裂きます。それを水の中に入れておくと次第に外側に丸まります。中空の部分に竹ひごなどを通せば水車のできあがりです。昔からある植物遊びのひとつです。
私も小さいころやりましたし、自分の子供にもやってみせたこともあります(そのころは素直に喜んでくれました)。
このブログのために、久しぶりに作ってみました。この時期はタンポポが少ないのでちょっと探しまわりましたが、なんとかありました。タンポポには申し訳ないけど、いただいてきました。

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タンポポ水車がどうしてこのようにまるまるのかですが、水の中に入れることで細胞が水を吸って膨らみます。しかし、茎の外側は組織がかたい(細胞壁がかたい)ため細胞があまり膨らみません。一方、内側は組織が柔らかい(細胞壁がやわらかい)ため、細胞が大きく膨らみます。それによって内側が伸び、外側に丸まっていくわけです。

これと同じことがクサボタンの花(萼ですが)でも起きているのだろうと思います。萼の内側の細胞は根から吸った水が供給されて大きく膨らむ一方、外側の細胞は膨らみにくい。それでくるくると巻き上がっていくのだと思います。
ただし、タンポポの茎のように組織の硬さが外側と内側で違うからなのか、水の供給のされ方が違うからなのかはわかりません。

一般的に花は、花弁の細胞が水を吸い膨張することで花を開かせます。ある方の研究では、サツキツツジのつぼみが開くまでの5時間の間で花弁の大きさも重さも1.5倍になったとのことです。花は短時間の間に急激に水を吸収し、開花しているようです。

さて、難しい話になってしまいましたが、この”くるくる”は見るだけでもけっこう楽しいです。機会があったら一度観察してみてください。タンポポ水車もぜひどうぞ。

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