TS-Eレンズを試してみた その2

前回はTS-Eレンズの機能であるティルトとシフトについての説明だけで終わってしまったが、どのような状況でどれくらいティルトすればいいのかを身につけるべく練習に出かけた。

以前のブログに書いたように、この時期は花が少ないので花屋で切り花を買ってきてモデルに使った。
地面に手前から1m間隔で4本の花を置き、どうティルトさせるとパンフォーカス(手前から奥までピントが来る状態)になるかを検証した。

こんなイメージ
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24㎜、45㎜、90㎜のそれぞれのレンズで撮影したが、一番わかりやすい45㎜を例に書いてみる。

まずはティルトなしで普通に撮影した状態。
ピントは一番手前の花に合わせた。
カメラから一番手前の花まで約1mの条件。
絞りもF2.8、4、5.6、8、11で撮り比べたが、下の写真はF5.6の例である。
後ろの花はそれなりにぼけた状態になっている。(写真をクリックすると大きくなります)
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F11まで絞るとこうなる。
後ろの花もはっきり見えてきた。
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次にティルトを使った場合のF5.6が下である。
絞り込まなくても、普通に撮ったF11よりも後ろの花や景色がくっきり見えている。
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これがティルトの威力だ!と言って終わりたかったが...何かがおかしい。
手前左のタンポポを見るとティルトを使った方がボケている。
奥がくっきりしている分、かえって違和感がある。
...なぜ?


もう一度TSレンズの使い方について、根本からいろいろ調べてみた。
その結果、使い方がなっていなかったことがわかった。


なってないポイント①: ピンボケ

情けない話だが、ティルトを使った写真を拡大してよく見てみた結果、ピントが手前に浮いている状態だった。

本来こんな感じであるべきところが、
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こうなっていたということ。
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(青線はレンズを、カメラの黄色い線はセンサーを、被写体近くの黄色い線はピント面を、その周りの黄色いボケは被写界深度のイメージを表す)
(図はあくまでイメージであり、画角やレンズの傾きなどは正確ではありません)


なぜこうなったかと言うと、まずTS-Eレンズはオートフォーカスではないこと。
ピント位置を変更する機構のレンズのため、どこにピントを合わせるかが、普通のレンズよりも大きく異なる。
そのためAFでは対応しきれないというか、AFをつける意味がないのだ。

次にティルトをすると画角もずれるが、ピント位置もずれる。
ずれた画角を調整するとともに、ピントを合わせる。さらにティルト角も調整する必要がある。
つまり、普通に比べて調整する手順が多い。

それと手前にも奥にもピントを合わせる必要があるため、ピントを合わせる点が普通のレンズに比べて各段に多い。
あっちにもこっちにもピントを合わせなくてはならない。

これらの事項と、レンズの操作になれていなくてあたふたしてしまい、ピントの確認が甘くなってしまったのだろう。
今後は液晶モニターで拡大表示して確認するとかして、念入りにピントを合わせたい。


なっていないポイント②: ティルト角度がいい加減

TSレンズについてネットで調べたところ、とてもいいブログを見つけることができた。
seimasさんの「てーへんカメラマンの日々」だ。

この方はデザイナー兼フォトグラファーで、主に物撮りでTSレンズを使っている方。
ブログの中でTSレンズの原理や具体的な使い方を紹介されている。
TSレンズのことだけではなく、物撮りなどについてもとても参考になった。

seimasさんはブログの中で、
「ティルト角は、レンズ主面と撮像面の距離(≒レンズの焦点距離)、撮影距離、パンフォーカスにしたい面との角度(見下げ角度)の3要素で決まる」
「適切なティルト角はシャインプルーフの原理に従って、三角関数で求められる」 と書かれている。

三角関数...高校で習ったが、いまだに理解できていない...。
でも、ありがたいことに、レンズの焦点距離・撮影距離・見下げ角度の3つの組み合わせ時の、大まかなティルト角の一覧表を載せてくださっていた。
http://seimas.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-b368.htm

この表をみたところ、今回の撮影ではティルト角を見た感じだけで適当に合わせたため、適切な角度になっていなかった。
慣れるまではこの表を参考に、撮影状況に合ったティルト角にだいたい合わせてから、微調整するのがいいようだ。


やはり、何にしても基礎知識をもった上で練習することが大事だと痛感した。
TS-Eレンズを甘く見ていた。

さて、seimasさんの表をスマホで見ながら、再度練習に出かけたのだが、それは次回に。
逆アオリと言う手法も試してみたので、それについても書いてみるつもりです。

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この記事へのコメント

こんにちは
2018年03月03日 18:56
左手前のタンポポがアウトフォーカスということですが、最初ピントを合わせる時左手前のタンポポにピントをもってきて、そこから徐々にティルトをかけていくと上手くいくと思います。ティルトをかけ過ぎるとアウトフォーカスになる時はその都度ピントを調節していきます。そうすると手前がシャープで徐々に・・・という感じの自然な写真になると思います。速いシャッターを切る必要がなければティルトだけではなく絞りも若干併用してピントを深くしていった方が楽だと思います。最初のピントを途中にもってくると、例えば手前1/3とか、上手くティルトできない、つまりピントリングをより大きくたくさん調節せねばならないのでややこしい操作になり勝ちと思います。

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